スピーチで使うとき · 54語

スピーチで使うときを表す座右の銘54選

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先に結論

スピーチの言葉は一度しか聞いてもらえません。読んで分かるかではなく、聞いて一度で伝わるかで選んでください。

スピーチで座右の銘を紹介するときは、読む記事や文章とは違う制約がある。聞き手はその場で一度耳にするだけで、聞き逃した言葉を読み返すことができない。この記事では、耳で聞いて一度で伝わる座右の銘を選ぶときの視点と、スピーチならではの使い分けの注意点を解説する。

一

門出を祝い、背中を押す

10語
使い分け

祝辞でこれからの順調を願うなら「順風満帆」、挑戦への一歩を押すなら「為せば成る」。

順風満帆じゅんぷうまんぱん›

物事が何の支障もなく、計画通り順調に進んでいくこと。 祝辞で「これからも順調に」という願いを込めるのに最も自然

スピーチ ◎出典未特定
為せば成るなせばなる›

強い意志を持って本気で取り組めば、どんなことでも成し遂げられるということ。 迷っている人の背中を押す励ましの場面に向く

スピーチ ◎出典: 上杉鷹山の教訓歌
心機一転しんきいってん›

何かをきっかけに、それまでの気持ちをすっかり入れ替えて新たな気持ちで物事に取り組むことを表す言葉。 進学・異動・新年など節目の挨拶に収まりがよい

スピーチ ◎出典未特定
大願成就たいがんじょうじゅ›

大きな願いや目標が、最終的に叶うことを表す言葉。 長い時間をかけて叶えた目標の報告に収まりがよい

スピーチ ◎出典未特定
翔かける›

鳥が大空を飛び回るように、自由にのびのびと羽ばたいていく姿勢を表す一文字。 どこへ何のために翔ぶのかを一言添えられるなら像が結ぶ

スピーチ ○出典未特定
夢ゆめ›

将来実現させたいと思う事柄を表す一文字。 一字で場を締める言葉として平易で、聞き手に一度で伝わる

スピーチ ◎出典未特定
Fortune favors the bold.フォーチュン フェイバーズ ザ ボールド›

「幸運は勇者に味方する」という意味の英語の格言。 日本語の言い換えを添えれば締めの一言として使える

スピーチ ○出典: ウェルギリウス『アエネイス』第10巻
失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければそれは成功になる。しっぱいしたところでやめてしまうからしっぱいになる。せいこうするところまでつづければそれはせいこうになる。›

途中でやめてしまうことこそが本当の失敗であり、成功するまで続けさえすれば、それは成功だという考え方を表す言葉。 うまくいかなかった直後に、次へ向かう空気を作る一文として使いやすい

スピーチ ◎出典: 松下幸之助『人を活かす経営』
成功とは、失敗を重ねてもなお情熱を失わないことであるせいこうとは、しっぱいをかさねてもなおじょうねつをうしなわないことである›

成功とは失敗しないことではなく、何度失敗しても情熱を失わずに挑戦を続けられることだという考え方を表す言葉。 失敗の直後に次へ向かう空気を作る一文として使いやすい

スピーチ ◎出典未特定
人生とは、勇気ある冒険であるか、無であるかのどちらかだ。じんせいとは、ゆうきあるぼうけんであるか、むであるかのどちらかだ。›

困難があっても勇気を持って挑戦し続けてこそ人生には意味がある、という考え方を表す言葉。 挑戦を促す挨拶の導入に向く。ヘレン・ケラー自身の歩みを一言添えたい

スピーチ ◎出典: Helen Keller, The …
二

出会いと感謝を語る

8語
使い分け

「一期一会」は茶会の心構えに由来し、その出会いに誠意を尽くす主体的な姿勢に重心がある。

一期一会いちごいちえ›

一生に一度だけの出会いだと考え、その一瞬一瞬の出会いを大切にすること。 結婚式や送別会で、出会いへの感謝を格調高く伝えられる

スピーチ ◎出典: 『山上宗二記』
和わ›

周囲の人々と争わず、心を合わせて仲良く協調していくことを大切にする姿勢を表す一文字。 十七条憲法の一条として由来を一言添えられ、格式が場に合う

スピーチ ◎出典: 『日本書紀』所収の十七条憲法 第一条…
Where there is unity, there is strength.ウェア ゼア イズ ユニティ、ゼア イズ ストレングス›

「団結あるところに力あり」という意味の英語のことわざ。 束ねた薪の寓話を一言添えると聞き手に像が渡る

スピーチ ◎出典未特定
情けは人の為ならずなさけはひとのためならず›

人にかけた情けは、巡り巡っていずれ自分自身に良い形で返ってくるということわざ。 助け合いを促す挨拶に向く。誤解が多いため言い換えを重ねる

スピーチ ◎出典未特定
愛あい›

人や物事を慈しみ、大切に思う気持ちを表す一文字。 方針を一字に凝縮する結びとして使え、業種を問わず通じる

スピーチ ◎出典未特定
恕じょ›

相手の立場に自分を置き換えて考え、自分がされて嫌なことは人にもしない、という思いやりの姿勢を表す一文字。 判断の基準を一語で示す挨拶に使え、由来を一言添えられる

スピーチ ◎出典: 『論語』衛霊公篇「子貢問曰、有一言而…
大きなことをする必要はない。小さなことを大きな愛を込めて行えばよい。おおきなことをするひつようはない。ちいさなことをおおきなあいをこめておこなえばよい。›

特別に大きなことを成し遂げなくても、日々の小さな行いに真心を込めることに価値があるという考え方を表す言葉。 目立たない役割を担った人へ向ける言葉として場に合う

スピーチ ◎出典未特定
敬天愛人けいてんあいじん›

天を敬い、人を愛することを大切にするという考え方を表す言葉。 組織の姿勢を一語で示したい挨拶に向く

スピーチ ◎出典: 『南洲翁遺訓』
三

学び続ける姿勢を語る

7語
使い分け

「温故知新」は懐古ではなく、過去から新しい知見を見いだす能動的な学びとセットで使う。

温故知新おんこちしん›

昔のことをよく学び直し、そこから新しい知識や考え方を見いだすこと。 企業理念など、フォーマルな場で知的な印象を与える

スピーチ ◎出典: 『論語』為政第二
不易流行ふえきりゅうこう›

時代が変わっても変わらない本質(不易)と、その時々で移り変わる新しさ(流行)とを、対立させずに根本で一つのものとして捉え… 守るものと変えるものを一つずつ名指しできる場面に合う

スピーチ ◎出典: 向井去来『去来抄』
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えりてんはひとのうえにひとをつくらずひとのしたにひとをつくらずといえり›

「人の上に人を造らず、人の下に人を造らず——天はそう言っている」という意味。 原文の続き(差は学ぶか否かで生じる)まで話せるなら成立する

スピーチ ○出典: 福沢諭吉『学問のすゝめ』初編
明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。あしたしぬかのようにいきよ。えいえんにいきるかのようにまなべ。›

限られた時間だからこそ今日を精一杯生き、学びのほうは終わりのないものとして続けよ、という二つの構えを一文に収めた言葉。 これからの姿勢を宣言する場面に合う。出典は「伝えられている」と置く

スピーチ ◎出典未特定
実るほど頭を垂れる稲穂かなみのるほどこうべをたれるいなほかな›

稲穂は実れば実るほど重みで頭を垂れるように、人も学び経験を積んで立派になるほど、謙虚な姿勢を持つべきだということわざ。 就任・昇進の挨拶で立場の変化に触れる引き方が場に合う

スピーチ ◎出典: 『毛吹草』
The pen is mightier than the sword.ザ ペン イズ マイティア ザン ザ ソード›

「ペンは剣よりも強し」という意味の英語の格言。 書く行為の価値を掲げる場面に向く。原文が条件つきの台詞である点に触れると説得力が増す

スピーチ ○出典: エドワード・ブルワー=リットン『リシ…
光陰矢の如しこういんやのごとし›

月日が過ぎ去るのは、矢が飛んでいくように速いということわざ。 卒業式や年頭の挨拶など、期間の区切りを述べる導入として収まりがよい

スピーチ ◎出典: 『禅門諸祖偈頌』または蘇軾「行香子・…
四

前向きさと希望を語る

5語
使い分け

「苦あれば楽あり」は苦労の先の報いを、「明日は明日の風が吹く」は今を大切にする割り切りを表す。

苦あれば楽ありくあればらくあり›

つらく苦しいことがあれば、その後には必ず楽しいことや良いことがやってくるということわざ。 今の苦しさに区切りがあることを、平易な一文で聞き手に渡せる

スピーチ ◎出典未特定
明日は明日の風が吹くあしたはあしたのかぜがふく›

先のことをあれこれ心配しすぎず、明日には明日なりの状況や変化があるものだと考え、今を大切に生きようとすることわざ。 格式ばらない場の締めに向く。就任挨拶など計画を語る場では準備を軽んじた印象になりやすい

スピーチ ○出典未特定
While there's life, there's hope.ワイル ゼアズ ライフ、ゼアズ ホープ›

「命ある限り希望あり」という意味の英語のことわざ。 うまくいかなかった話を扱う挨拶で、次の一手と並べて使える

スピーチ ◎出典: テオクリトス『牧歌』第4歌42行「ἐ…
Every cloud has a silver lining.エヴリ クラウド ハズ ア シルバー ライニング›

「どんな雲にも銀の裏地がある」という意味の英語のことわざ。 自分たちの失敗を語る側から使い、良かった面を具体的に挙げられるなら成立する

スピーチ ○出典: ジョン・ミルトン『コーマス』
楽らく›

物事を苦しいものとしてではなく、楽しみながら取り組む姿勢を表す一文字。 空気を変えると宣言する挨拶の結びに使える

スピーチ ◎出典未特定
五

誠実な生き方を語る

7語
使い分け

「誠」は一文字で理念を象徴的に示す言葉。紹介した直後に短く意味を言い添えると聞き手に伝わりやすい。

誠まこと›

偽りやごまかしがなく、まごころを尽くして人や物事に真摯に向き合う姿勢のこと。 一文字で掲げる座右の銘の代表例として簡潔に語れる

スピーチ ○出典未特定
徳とく›

人として身につけるべき正しい品性や、誠実で思いやりのある行いを表す一文字。 肩書きでなく振る舞いで方針を示す挨拶の結びに使える

スピーチ ◎出典未特定
論語と算盤ろんごとそろばん›

道徳と利益追求は対立するものではなく、両立させてこそ事業は続くという考え方。 就任・周年の挨拶で、方針を一言で示す言葉として使える

スピーチ ◎出典: 渋沢栄一述・梶山彬編『論語と算盤』
心こころ›

物事に取り組むときの気持ちのあり方そのものを大切にする姿勢を表す一文字。 技術より先に整えるものを一字で示す結びとして使える

スピーチ ○出典未特定
世の人は我を何とも言わば言え 我がなすことは我のみぞ知るよのひとはわれをなんともいわばいえ わがなすことはわれのみぞしる›

周囲からどう言われようと気にせず、自分が成すべきことは自分自身が一番よくわかっているという信念を表す言葉。 覚悟を示す場面に効く。前半だけ引いて後半を自分の言葉で説明すると伝わりやすい

スピーチ ◎出典: 京都国立博物館蔵「坂本龍馬関係資料 …
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。ちにはたらけばかどがたつ。じょうにさおさせばながされる。いじをとおせばきゅうくつだ。›

理屈で押し通せば人と衝突し、情に乗れば流され、意地を通せば窮屈になる——どう構えても人の世は住みにくい、という認識を三つ… 一句だけを引いて作品名と続きを添えるなら場に収まる。三句を並べると長い

スピーチ ○出典: 夏目漱石『草枕』冒頭
人生・仕事の結果は考え方×熱意×能力で決まるじんせいしごとのけっかはかんがえかたかけるねついかけるのうりょくできまる›

人生や仕事の成果は「考え方×熱意×能力」で決まるという見方。 判断の基準をチームに配る場面で、式のまま示せる

スピーチ ◎出典: 京セラ「稲盛和夫オフィシャルサイト」…

そのほかの座右の銘

17語
All that glitters is not gold.オール ザット グリターズ イズ ノット ゴールド›

「輝くものすべてが金とは限らない」という意味の英語のことわざ。 主語を一般化しないと、その場の相手を指して言ったと取られる

スピーチ ○出典: シェイクスピア『ヴェニスの商人』第2…
全身全霊ぜんしんぜんれい›

体と心のすべて。 決意や就任の挨拶で、覚悟を短く示せる

スピーチ ○出典未特定
諸行無常しょぎょうむじょう›

この世のあらゆるものは絶えず移り変わり、永遠に変わらないものはないということ。 年頭や卒業の場で、変化を受け止める姿勢を示せる。行動を添えたい

スピーチ ○出典: 『涅槃経』
不動心ふどうしん›

他によって動かされることのない心。 就任や決意表明で、揺らがない方針を示す一語になる

スピーチ ○出典: 『孟子』公孫丑上
感謝かんしゃ›

ありがたいと思う気持ちを表すこと。 送別・受賞・就任の場で、聴衆に温かい印象を残せる

スピーチ ◎出典: 『南史』庾登之伝
絆きずな›

人と人とを離れがたく結びつけているもの。 結婚式や送別の場で、関係の深さを一字で伝えられる

スピーチ ◎出典: 『説文解字』
雨降って地固まるあめふってじかたまる›

もめごとなど悪いことが起こったあと、かえって基盤がしっかりして、前より良い状態になることのたとえ。 衝突や困難を乗り越えた組織やチームの節目の挨拶に収まる

スピーチ ◎出典未特定
日日是好日にちにちこれこうじつ›

毎日が、それぞれにかけがえのない良い日であるということ。 節目の挨拶で、これまでの日々への肯定を一言で伝えられる

スピーチ ◎出典: 『碧巌録』第六則
笑う門には福来るわらうかどにはふくきたる›

いつも笑いの絶えない人の家には、自然と幸福がめぐってくるということ。 新年や出発の場で、聞き手全員が一度で理解でき、場を明るくできる

スピーチ ◎出典未特定
人事を尽くして天命を待つじんじをつくしててんめいをまつ›

人間の力でできることはすべてやり、その結果は天の定めに任せるということ。 試験や大会を控えた聴衆への励ましとして使える

スピーチ ○出典: 胡寅『読史管見』晋紀・武帝
和を以て貴しと為すわをもってとうとしとなす›

人々が心を合わせ、むつまじく協調することを何よりも大切なものとする、ということ。 十七条憲法の一条として由来を添えやすく、格式が場に合う

スピーチ ◎出典: 『日本書紀』所収の十七条憲法 第一条…
勝って兜の緒を締めよかってかぶとのおをしめよ›

戦いに勝っても気をゆるめず、次に備えて身を引き締めよという教え。 成果の報告のあと、慢心を避ける姿勢を一言で示せる

スピーチ ○出典: 『蔭凉軒日録』文明17年
人間万事塞翁が馬にんげんばんじさいおうがうま›

人生の幸不幸は前もって見通せず、不運に見えたことが幸運のもとになり、幸運に見えたことが不運のもとになることもある。 逆境を越えた経験を振り返る挨拶で、故事の筋を添えると伝わる

スピーチ ○出典: 『淮南子』人間訓「近塞上之人有善術者…
己の欲せざる所は人に施す勿れおのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ›

自分がされたくないことは、相手も望まないのだから、人に対してしてはならない。 行動規範を説明する挨拶で、禁止の形が具体的に伝わる

スピーチ ○出典: 『論語』衛霊公篇「其恕乎、己所不欲、…
過ぎたるは猶及ばざるが如しすぎたるはなおおよばざるがごとし›

度が過ぎるのは、足りないのと同じようによくない。 頑張りすぎを見直した経験を語る挨拶で、節度を示せる

スピーチ ○出典: 『論語』先進篇「子貢問、師與商也孰賢
上善は水の如しじょうぜんはみずのごとし›

最高の善とは水のようなものだ、ということ。 老子の一句と添えるだけで格が出て、謙虚さと貢献の姿勢を一度に伝えられる

スピーチ ◎出典: 『老子』八章
少年老い易く学成り難ししょうねんおいやすくがくなりがたし›

若いと思っているうちにも年月はすぐ過ぎ、学問はなかなか成就しないということ。 入学・年頭など、時間の使い方を促す場で自分への戒めとして語ると届く

スピーチ ◎出典: 精選版日本国語大辞典・デジタル大辞泉…

選び方の解説

スピーチで使う座右の銘を選ぶ際にまず意識したいのは、聞いただけで意味が伝わるかどうかだ。文章であれば漢字を見て意味を推測できる四字熟語や難読語も、耳で聞くだけでは同音異義語と混同されたり、意味を取り違えられたりすることがある。読んで分かる言葉と聞いて分かる言葉は必ずしも一致しない。

聞き手は座右の銘を一度しか聞けないという前提に立つと、言葉そのものの選び方だけでなく、その後の説明の仕方も重要になる。座右の銘を紹介した直後に、短く意味を言い添える一言があるだけで、聞き手の理解度は大きく変わる。言葉を選ぶ段階から、後に続ける説明とセットで考えるとよい。

また、スピーチの場では座右の銘を紹介する時間が限られていることが多い。長い由来をすべて語る余裕はないため、由来のうち聞き手の記憶に残したい一点だけを選んで話す、という取捨選択の視点も必要になる。

使い分けの注意点

結婚式や送別会などの私的なスピーチと、式典や講演などの公的なスピーチとでは、座右の銘に求められる硬さが異なる。私的な場では親しみやすいことわざ由来の言葉が響きやすく、公的な場ではより硬めの四字熟語が場に馴染みやすい傾向がある。

スピーチで座右の銘を紹介する際、聞き手の年齢層や共通の背景知識によって、通じやすい言葉の難易度も変わる。難しい四字熟語を使う場合は、読みと意味を口頭で補足する前提で選ぶと、聞き手を置き去りにしにくい。

迷ったら

響きで選ばず、由来まで語れるかで決めてください。各語のページに、深掘りされたときの答え方まで載せています。

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