四字熟語

呉越同舟(ごえつどうしゅう)

敵対する者同士でも、共通の困難や利害のためには協力し合うこと。

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この語を使ってよい場面◎最適 ○使える △注意
△スピーチ両者の不仲を前提にする語なので、当人の前では関係を認めたうえで共通の目的を先に置く
注意: 互いの関係の悪さを前提にする語で、当人たちの前で使うと角が立ち、もともと仲の良い者どうしの協力には使いにくい。

そのまま使える例文

スピーチ

合同練習の挨拶で、監督が「今日は呉越同舟です。ライバル校ですが、同じ課題に取り組みましょう」と述べた。

対立していた二つの部署が、納期という共通の危機を前に呉越同舟で作業を進めた。
会議室には呉越同舟の顔ぶれが揃い、誰もが本題を切り出しかねていた。
避難所では、日ごろ折り合いの悪い住民どうしが呉越同舟で炊き出しにあたった。

深掘りに備える — 由来

出典: 『孫子』九地篇「夫呉人与越人相悪也、当其同舟而済…

『孫子』九地篇の一節に由来する(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・四字熟語辞典オンライン)。呉と越は春秋時代に争いを重ねた隣国で、「呉越」の二字だけでも仲の悪いことのたとえになる(精選版日本国語大辞典)。

聞かれたら: 「『孫子』九地篇「夫呉人与越人相悪也、当其同舟而済…に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。

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『孫子』九地篇の一節に由来する(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・四字熟語辞典オンライン)。呉と越は春秋時代に争いを重ねた隣国で、「呉越」の二字だけでも仲の悪いことのたとえになる(精選版日本国語大辞典)。九地篇はまず、常山にすむ「率然」という蛇を引き、頭を打てば尾が、尾を打てば頭が助けに来るように軍を動かせるかと問う。答えは「できる」で、その根拠として「呉の人と越の人は憎み合っているが、同じ舟で川を渡っていて風に遭えば、左右の手のように助け合う」と述べる。そして、兵が手を取り合って一人のように動くのは、そうせざるを得ない状況に置かれるからだと結ぶ(維基文庫の原文で確認)。もとは兵をどう一つにまとめるかを説く比喩である。台湾教育部『成語典』は「吳越同舟」を正文の見出しに立てず、付録の参考資料で「危難のときに仇を化して友となる」意とし、同じ一節を「同舟共済」の典源として掲げる。日本語の辞典は意味を二つ並べ、デジタル大辞泉と精選版日本国語大辞典は「仲の悪い者どうしが同じ所に居合わせる」意を先に、「共通の困難のために協力し合う」意を「また」として続ける。四字熟語辞典オンラインは前者を語釈とし、協力の意を「もとは」として添える。出典の文脈に近いのは協力の側である。日本語の初出の実例として、精選版日本国語大辞典は岡本かの子『生々流転』(一九三九年)を挙げる。

似た語と間違えない

呉越同舟敵対する者同士でも、共通の困難や利害のためには協力し合うこと。
楚越同舟
同舟共済
同舟相救う

辞典が類義語として挙げるのは「楚越同舟」(四字熟語辞典オンライン。デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典は語釈に「呉越同舟」と書き、日国は『太平記』の用例を引く)と「同舟共済」(四字熟語辞典オンライン。台湾教育部『成語典』は同じ『孫子』の一節を典源とする)。「同舟相救う」もデジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典が同じ一節から引く言い回しで、日国は「呉越同舟」を参照先に示す。「同舟共済」は同じ舟で力を合わせることに焦点があり、『成語典』の語釈にも敵対の含みはない。「同舟相救う」は危急のときの助け合いを言う句で、気まずい同席の意は持たない。「一致団結」は同じ側にいる者が心を合わせることで、関係の悪さを前提にしない。対義語を立てている辞典は見当たらない。「犬猿の仲」「水と油」は、Weblio類語辞典ではむしろ「呉越」と同じ不仲の側に並ぶ語で、対義とはいえない。

こんなシーンで使う

対立していた立場の人が同じ目的のために手を組んだ場面を、一言で言い表せる。ただし聞き手には「この二者はもともと敵どうしだ」という前提が同時に伝わる。四字熟語を知る辞典も、ライバル関係なら使えるが仲の良い間柄には言いにくいとして、双方の関係を確かめるよう勧めている。当人たちの前で使うと関係の悪さを公に確認することになり、角が立ちやすい。合同練習や共同プロジェクトの挨拶で使うなら、「呉越同舟ですが」と関係を認めたうえで共通の目的を先に置くと、聞き手は前向きな協力の話として受け取る。味方どうしの結束には「一致団結」のほうが素直に届く。「同じ場に居合わせる」と「協力する」のどちらの意味で使っているかは文脈で決まるので、口頭では「敵どうしが同じ舟に乗り合わせる」と一言添えると誤解がない。

以下のテーマ・シーンでよく使われます。

よくある質問

呉越同舟の類義語は?
楚越同舟、同舟共済、同舟相救う
呉越同舟の由来は?
『孫子』九地篇の一節に由来する(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・四字熟語辞典オンライン)。呉と越は春秋時代に争いを重ねた隣国で、「呉越」の二字だけでも仲の悪いことのたとえになる(精選版日本国語大辞典)。
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