四字熟語
和顔愛語(わがんあいご)
穏やかな笑顔と、思いやりのこもった優しい言葉で人に接すること。仏典に由来し、人への接し方そのものを説く言葉。
最終更新日:
由来
出典は『仏説無量寿経』(大無量寿経)巻上。曹魏の康僧鎧訳とされる漢訳の本文に「無有虚僞諂曲之心 和顏愛語 先意承問」とあり、法蔵菩薩が修めた行いを列挙する箇所に現れる。偽りやへつらいの心がないことを受け、「和顔愛語」に「先意承問」(相手が言い出す前にこちらから察して尋ねる)が続く八字の句で、笑顔と言葉だけでなく、先に気づいて声をかけるところまでが一続きの教えになっている。読み下しは資料によって「和顔愛語して」「和顔愛語にして」と揺れ、別本には「和顔軟語」という表記もある(『新纂浄土宗大辞典』)。日本では親鸞がこの経文を『教行信証』『浄土文類聚鈔』に引用しており、現在も仏教系の学校が建学の精神として「和顔愛語 先意承問」を掲げる例がある。なお、別の経典に説かれる「無財の七施」の「和顔悦色施」「言辞施」とは内容が重なるが、七施の名称に「和顔愛語」は含まれない。
例文
- 就任の挨拶で「和顔愛語を心がけ、まず話を聞くところから始めます」と述べた。
- 新年の書き初めに「和顔愛語」と書き、人への接し方を一年の軸に据えた。
- 面接で「接客のアルバイトでは和顔愛語を意識していました」と答え、混み合う時間帯にどう声をかけたかを続けて説明した。
- 和顔愛語で迎えられた人は、相談しにくいことまで話してくれる。
類義語・対義語
辞書は「和顔愛語」に類義語を立てていないが、近いのは穏やかさを表す語である。「温厚篤実」は穏やかさに加えて誠実さという人となりを、「春風駘蕩」はおっとりとした雰囲気を指す。「和顔愛語」はそれらと違い、笑顔と言葉という具体的な接し方、つまり行いのほうに重心がある。
こんなシーンで使う
就任の挨拶や新年の抱負で、人への接し方を一言で掲げる語として収まりがよい。聞き手には「まず相手を受け止める人だ」という印象が残る。ただし態度を述べる語なので、実際にどう声をかけたのかを続けないときれいごとで終わりやすい。仏典に由来する言葉である点は、由来を聞かれたらそのまま答えれば十分で、宗派の話にする必要はない。読みは「わがんあいご」「わげんあいご」の両方が辞書に立ち、仏教側の資料では「わげんあいご」が使われる。声に出して使う場面では、どちらで読むか決めておくと詰まらない。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 和顔愛語の類義語は?
- 温厚篤実、春風駘蕩
- 和顔愛語の由来は?
- 出典は『仏説無量寿経』(大無量寿経)巻上。曹魏の康僧鎧訳とされる漢訳の本文に「無有虚僞諂曲之心 和顏愛語 先意承問」とあり、法蔵菩薩が修めた行いを列挙する箇所に現れる。