四字熟語

温厚篤実(おんこうとくじつ)

性格が穏やかで人情に厚く、誠実であること。

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この語を使ってよい場面◎最適 ○使える △注意
◎スピーチ就任挨拶や人物紹介で第三者を評する場に向く
△面接自分に使うと自賛になり、決断の力は伝わらない
△ES自己PRに使うなら具体的な行動とセットにする
注意: 自分の人柄として掲げると自賛になり、判断や決断の力は何も伝わらない。

そのまま使える例文

推薦状に「温厚篤実な人柄で、部署を越えて信頼を集めている」と書かれていた。

スピーチ就任の挨拶で、前任者を「温厚篤実な方でした」と紹介した。
社史は創業者を温厚篤実な経営者として描いている。
彼は温厚篤実というより、怒るべき場面でも黙っていただけだったのかもしれない。

深掘りに備える — 由来

出典: 『易経』大畜 彖伝「大畜、剛健篤実輝光、日新其徳…

複数の四字熟語辞典が典拠として『易経』大畜を挙げる。国立国会図書館のレファレンス協同データベースに登録された調査事例でも、五点の四字熟語辞典がそろって『易経』大畜を出典としていることが確認されている。

聞かれたら: 「『易経』大畜 彖伝「大畜、剛健篤実輝光、日新其徳…に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。

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複数の四字熟語辞典が典拠として『易経』大畜を挙げる。国立国会図書館のレファレンス協同データベースに登録された調査事例でも、五点の四字熟語辞典がそろって『易経』大畜を出典としていることが確認されている。該当箇所は大畜の彖伝「大畜、剛健篤実輝光、日新其徳」——大畜は剛健で内に厚く、その徳が光り輝いて日々新たになる——で、ただしここにあるのは「篤実」の二字であり、「温厚篤実」という四字の形が原典にあるわけではない。同じ調査事例は、故事成語事典の類にはこの語の記載がなかったとも報告しており、五点のうち一点は「篤実」の二字が『易経』大畜に見えると断ったうえで、用例としては石川啄木「雲は天才である」を挙げる。「篤実」単独の典拠を『易経』大畜とする点は、普及版字通と精選版日本国語大辞典も一致する。日本語での早い実例は、精選版日本国語大辞典が挙げる随筆『雲萍雑志』(一八四三年)の「温厚篤実の儒者なり」。同辞典は「篤実」の項で二葉亭四迷『浮雲』(一八八七〜八九年)の「文三は篤実温厚な男」を引いており、明治期には語順を入れ替えた「篤実温厚」の形も使われていたことがわかる。「温厚」の二字はさらに古く、同辞典は『集義和書』(一六七六年頃)の「寛裕温厚にしてひたし養ふときは」を挙げる。四字熟語を知る辞典は井伏鱒二『黒い雨』(一九六五〜六六年)、阿川弘之『米内光政』(一九七八年)の使用例を挙げる。「温厚」は穏やかで角が立たないこと、「篤実」は情に厚く誠実なことで、性質の違う二つの美点を並べて人物像を作る形になっている。

似た語と間違えない

温厚篤実性格が穏やかで人情に厚く、誠実であること。
温柔敦厚

類義語として辞典が挙げるのは「温柔敦厚」で、デジタル大辞泉が温柔敦厚の類語に温厚篤実を立てる。温柔敦厚は精選版日本国語大辞典が『詩経』にいう理想的な人格の条件と説明し、デジタル大辞泉が『礼記』経解を出典に挙げる語で、穏やかで人情に厚いという情の面をまとめて言う。これに対し温厚篤実は「篤実」に誠実さ・実直さが入るぶん、人柄だけでなく仕事の姿勢の評価としても使える。「温順篤実」を見出しに立てる辞典は確認できなかった。辞典が類義に並べる語ではないが、同じ場面で候補になる「和顔愛語」は穏やかな表情と言葉づかいという振る舞いを指し、温厚篤実は振る舞いの奥にある性質そのものを指す。対義語を立てる辞典も確認できない。反対の人柄を言うなら「軽佻浮薄」(精選版日本国語大辞典「かるはずみで言動がしっかりしていないさま」)が軽さの側から、「冷酷無残」(四字熟語を知る辞典「思いやりがなく残酷であること」)が情の無さの側から対になるが、いずれも辞典が温厚篤実の対義として挙げているわけではない。

こんなシーンで使う

他人の人柄を評するときの語で、自分について使えば自賛になる。ESや面接で自己PRに使うと、面接官には「穏やかで誠実」という主張だけが残り、判断や決断の力については何も伝わらない。推薦状・弔辞・就任の挨拶など、第三者を紹介する場でこそ本来の働きをする。ただし人物評として使う場合も、角のない褒め言葉であるぶん、聞き手に「ほかに言うことがない人」という含みで受け取られることがあるので、その人の具体的な行動を一つ添えると像が立つ。辞典の語釈は「性質がおだやかでまじめなさま。人当たりがやわらかく誠実なさま」(精選版日本国語大辞典)で、「まじめ」が入るぶん、仕事ぶりの評価として聞き手にも届く。

以下のテーマ・シーンでよく使われます。

よくある質問

温厚篤実の類義語は?
温柔敦厚
温厚篤実の由来は?
複数の四字熟語辞典が典拠として『易経』大畜を挙げる。国立国会図書館のレファレンス協同データベースに登録された調査事例でも、五点の四字熟語辞典がそろって『易経』大畜を出典としていることが確認されている。
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