支離滅裂(しりめつれつ)
物事の筋道がばらばらで、まったく理屈が通っていないこと。
最終更新日:
そのまま使える例文
面接の練習で「緊張すると話が支離滅裂になるので、結論から言う順番を決めています」と正直に伝えた。
深掘りに備える — 由来
「支離」と「滅裂」という二つの語を重ねた四字熟語で、四字の形での中国古典の出典は確認できない。台湾教育部の『重編国語辞典修訂本』『成語典』にも「支離滅裂」の見出しはなく、四字のまとまりは日本で定着した言い方と見てよい。
聞かれたら: 「「支離」=『荘子』人間世篇に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
由来の全文を読む
「支離」と「滅裂」という二つの語を重ねた四字熟語で、四字の形での中国古典の出典は確認できない。台湾教育部の『重編国語辞典修訂本』『成語典』にも「支離滅裂」の見出しはなく、四字のまとまりは日本で定着した言い方と見てよい。ただし二字ずつはいずれも『荘子』にさかのぼる。「支離」は精選版日本国語大辞典・普及版字通とも『荘子』人間世篇を典拠に挙げる。同篇には支離疏という人物が登場し、あごがへそに隠れ、肩が頭より高いという異形の身ゆえに兵役にも労役にも取られず、施しの粟を受けて天寿を全うする。『荘子』はこの話を「其の形を支離する者すら身を養うに足る、況んや其の徳を支離する者をや」と結び、「支離」を「形がばらばらで整わない」意で使っている。ここから「支離」には「身に障害のある者」の意味も派生した。日本語での「支離」の用例は空海の詩を収める『経国集』(827年)にまで遡る(精選版日本国語大辞典)。「滅裂」は『荘子』則陽篇の「政を為すに鹵莽なるなかれ、民を治むるに滅裂なるなかれ」が典拠で、粗く乱暴に耕せば実りもそれに応じて乱れる、という農夫のたとえの中で「ぞんざいで形をなさない」意に使われている。普及版字通は宋の随筆『捫蝨新話』を引いて「まとまりがない」と釈す。日本では新井白石の書簡(『白石先生手簡』1725年頃)に「鹵莽滅裂」の形で見える。四字としての初出に精選版日本国語大辞典が挙げるのは坪内逍遙『当世書生気質』(1885〜86年)の「支離滅裂と嘲りたまはず」で、夏目漱石『草枕』(1906年)の「双方に気合がないから、もう画としては、支離滅裂である」、有島武郎『或る女』(1919年)にも用例がある。
似た語と間違えない
辞典の語釈は「ばらばらになってまとまりがつかないこと。筋道が立たないで、めちゃくちゃなこと」(精選版日本国語大辞典)で、話や文章の筋だけでなく色・形・音のまとまりのなさにも使う(四字熟語を知る辞典)。対義語は辞典が一致して「理路整然」を挙げ、筋道が整っているかどうかが軸になる。「乱雑」「混沌」は物の散らかりや秩序のなさ一般を言い、話や文章に限らない。「蕪雑」は文章が整理されていないことを言う語で、「支離滅裂」ほどの決めつけはない。一部の四字熟語辞典は「乱雑無章」を類義に挙げる。似た場面で使われる「荒唐無稽」は話の中身に根拠がなく現実離れしていることを指し、「支離滅裂」は中身の当否ではなく筋道のつながりが壊れていることを指す。もっともらしい内容でも順序が崩れていれば支離滅裂であり、逆に筋は通っていても事実無根なら荒唐無稽になる。
対義語: 理路整然
こんなシーンで使う
相手の話や文章を「筋が通っていない」と切り捨てる語で、面と向かって使えば人格否定に近い強さで届く。会議で他人の説明に向けると、指摘の中身より言い方のきつさのほうが聞き手の記憶に残るので、対象は「説明」「資料」といった成果物に絞り、どこで筋が切れたのかを一緒に示したい。面接で前職や他人の評価に使うと面接官には他責に聞こえるが、「緊張すると話が支離滅裂になるので結論から話す」のように自分の課題と対策を組にして使うなら、自己認識があり直し方を知っている人として届く。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 支離滅裂の類義語は?
- 乱雑、蕪雑、混沌
- 支離滅裂の由来は?
- 「支離」と「滅裂」という二つの語を重ねた四字熟語で、四字の形での中国古典の出典は確認できない。台湾教育部の『重編国語辞典修訂本』『成語典』にも「支離滅裂」の見出しはなく、四字のまとまりは日本で定着した言い方と見てよい。