蒼穹(そうきゅう)
青々と晴れわたった大空のこと。ただの「青空」と違い、ドーム状に高く張った空間としての広がりを含み、見上げる側の小ささまで一緒に運ぶ文章語。
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そのまま使える例文
見渡すかぎりの蒼穹の下に、白い峰がひとつだけ立っていた。
深掘りに備える — 由来
特定の故事に基づく語ではない。精選版日本国語大辞典は「蒼穹」の項に、日本での早い実例として本朝麗藻(一〇一〇年頃)下巻「九月尽日北野廟に侍る」源孝道の句「霊廟本為風月主、宜哉明徳満蒼穹」を挙げ、漢籍の参照文献として唐の高適「秘書弟に酬い兼ねて幕下の諸公に寄す」を挙げる。
聞かれたら: 「本朝麗藻に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
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特定の故事に基づく語ではない。精選版日本国語大辞典は「蒼穹」の項に、日本での早い実例として本朝麗藻(一〇一〇年頃)下巻「九月尽日北野廟に侍る」源孝道の句「霊廟本為風月主、宜哉明徳満蒼穹」を挙げ、漢籍の参照文献として唐の高適「秘書弟に酬い兼ねて幕下の諸公に寄す」を挙げる。高適のその詩には「高縦激頽波、逸翮馳蒼穹」(高く放たれて衰えの波に抗い、すぐれた翼が大空を駆ける)の句があり、大鳥の飛翔の比喩として使われている。本朝麗藻は一条天皇の御代の漢詩文を高階積善が編んだ集で、平安中期にはすでに漢詩の語彙として日本に入っていたことになる。字の側では、普及版字通が「穹」を形声・声符は弓とし、弓に彎曲するものの意があるとして「蒼穹・穹廬のように、ドーム形の天井の高いものをいう」と説明する。説文解字は「穹」を「窮なり」とするが、字通は究極の意には究・窮を用いるとし、穹はもっぱら弓なりの高さの側に立つとみる。蒼穹が指すのは平らな青ではなく、丸みと高さを持った空である。
似た語と間違えない
同じ青空でも、「蒼空」「青空」が色そのものを言うのに対し、蒼穹は「穹」が担う丸みと高さが語に入る。精選版日本国語大辞典は「蒼天」に「特に春の空」の義と「天にいる神・天帝」の義を別に立てており、蒼天が季節や天の意志のほうへ寄るのに対し、蒼穹はもっぱら見上げた空間の広がりを指す。「天穹」「穹窿」も同じドームの像だが、こちらは建築の丸天井にも使うぶん、空を言う語としては蒼穹より無機的に響く。なお、辞書に立項された対義語は見当たらない。ここに挙げた反対の語は対比に使えるというだけで、辞書が定めた対義語ではない。
対義語: 曇天、暗雲、大地
こんなシーンで使う
会話にはまず出てこない語で、書き言葉か、原稿を用意したスピーチの中でだけ自然に響く。聞き手に届くのは「情景を見ている人」という像で、その人の性格も意志も伝わらない——つまり自己紹介の一語にはならない。壮行会や送辞のように、場面の絵を一枚置きたいところで一度だけ使うと効く。二度三度出すと、内容より語彙を見せに来た人に見える。面接やESで座右の銘として掲げるのは勧めにくい。空を指す名詞なので「あなたはどうしたいのか」に何も答えておらず、面接官にはかわされたように読まれる余地が残る。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 蒼穹の類義語は?
- 蒼天、蒼空、碧空、天穹
- 蒼穹の由来は?
- 特定の故事に基づく語ではない。精選版日本国語大辞典は「蒼穹」の項に、日本での早い実例として本朝麗藻(一〇一〇年頃)下巻「九月尽日北野廟に侍る」源孝道の句「霊廟本為風月主、宜哉明徳満蒼穹」を挙げ、漢籍の参照文献として唐の高適「秘書弟に酬い兼ねて幕下の諸公に寄す」を挙げる。