惻隠(そくいん)
苦しんでいる人を見て、思わず湧き上がる同情や哀れみの心。『孟子』が人に生まれつき備わる善の芽生えの一つとして挙げた「惻隠の心」の形でよく使われる。
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そのまま使える例文
卒業式の答辞で「惻隠の心を忘れず、困っている人に気づける人でありたい」と述べた。
深掘りに備える — 由来
出典は『孟子』公孫丑上。孟子は、人には他人の不幸を見過ごせない心が生まれつき備わっていると説き、その例として、幼い子どもがいまにも井戸に落ちそうなのを見れば、誰でもはっと驚き痛ましく思う心が起こる、と述べた。
聞かれたら: 「『孟子』公孫丑上に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
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出典は『孟子』公孫丑上。孟子は、人には他人の不幸を見過ごせない心が生まれつき備わっていると説き、その例として、幼い子どもがいまにも井戸に落ちそうなのを見れば、誰でもはっと驚き痛ましく思う心が起こる、と述べた。そのうえで「惻隠之心、仁之端也」(惻隠の心は、仁の端なり)と続け、羞悪(悪を恥じる心)・辞譲(へりくだり譲る心)・是非(善し悪しを見分ける心)と並べて、それぞれが仁・義・礼・智に至る芽生え(端)だとした。これが性善説の根拠として知られる「四端」の説である。孟子はさらに、人にこの四端があるのは両手両足(四体)があるのと同じだと述べている。ここでの「隠」は隠れる意ではなく、いたむ意で使われており、二字で「かわいそうだと心を痛める」気持ちを表す。
似た語と間違えない
「同情」が相手の気持ちを察して共に感じることを広く指す日常語であるのに対し、「惻隠」は他人の苦しみを見て思わず心が痛むという心の動きに重心があり、孟子の四端説を背負った改まった語である。「憐憫」も哀れむ気持ちを言うが、相手を上から見下ろす響きを帯びやすい。
対義語: 冷酷、無慈悲
こんなシーンで使う
卒業式の答辞や、看護・福祉・教育など人を支える仕事の面接で、自分が大切にしたい姿勢として挙げると、聞き手には「他人の痛みに気づける人」という像が届く。多くは「惻隠の心」「惻隠の情」の形で使う語で、二字だけで掲げると読み方も意味も取れない聞き手が出やすい。読みと意味、孟子の言葉であることを一言添えたうえで、実際にどう行動したかと組にすると、上から相手を哀れむ響きにならない。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 惻隠の類義語は?
- 同情、憐憫、思いやり
- 惻隠の由来は?
- 出典は『孟子』公孫丑上。孟子は、人には他人の不幸を見過ごせない心が生まれつき備わっていると説き、その例として、幼い子どもがいまにも井戸に落ちそうなのを見れば、誰でもはっと驚き痛ましく思う心が起こる、と述べた。