静謐(せいひつ)
物音一つなく、深く落ち着いた静けさ。音の有無だけでなく、世の中や心が乱れなく穏やかに治まっている状態にも使う。
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そのまま使える例文
開館の挨拶で「この建物が、まちの静謐を守る場所であり続けるように」と述べた。
深掘りに備える — 由来
特定の故事に由来する語ではないが、漢籍にさかのぼる用例は辞書ではっきりたどれる。普及版字通は「静謐」の項に『宋書』礼志一の用例を引く。
聞かれたら: 「『宋書』礼志一に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
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特定の故事に由来する語ではないが、漢籍にさかのぼる用例は辞書ではっきりたどれる。普及版字通は「静謐」の項に『宋書』礼志一の用例を引く。南朝宋の正史のうち礼制を記した巻で、太常(祭祀をつかさどる官)の馮懐が上奏した文に見える語である。精選版日本国語大辞典は語義を二つに分け、①世の中が穏やかに治まっていること、②心が静かで落ち着いていること、とする。①の日本語での早い例は同辞典が引く『凌雲集』(八一四年)序の「世機の静謐なるに属し、琴書に託して日を終ふ」で、平安初期の勅撰漢詩集にすでに見える。『日葡辞書』(一六〇三‐〇四年)にも「テンカ イマ xeifitni(セイヒツニ)ゴザル」とあり、近世初期には「天下が静謐だ」という時局の言い方として口語にも入っていた。②の例には森田草平『煤煙』(一九〇九年)の「強い力が籠ってるやうだが、それと共に飽迄静謐だ」が挙がる。字の側では、「謐」は言に必を添えた形声字で、説文解字は「静かに語るなり」と釈す。字通の訓義は「やすらか、やすんずる」「つつしむ」で、音が消えていることよりも、乱れずに収まっていることを言う字である。
似た語と間違えない
「静寂」が音が絶えているという事実の側に最も近いのに対し、「静謐」は音の有無より、乱れなく穏やかに治まっていることに重心があり、世の中の状態にも心の状態にも使える。「閑寂」はもの寂しさに趣を見る語で、庭や茶の湯のような美意識の文脈に寄る。「平穏」が波風の無さを日常語で言うのに対し、静謐は書き言葉としての格が高く、漢詩文以来の重さを引き継いでいる。
対義語: 喧騒、騒擾
こんなシーンで使う
場や世の中の状態を言う語で、人の性格や強みを直接表す語ではない。式典や施設の挨拶で情景を一語に置くと格式が出て、聞き手には「乱れなく収まっている場」という像が届く。一方で面接やESの「私は静謐です」は語の指す対象がずれるため意味が結ばない。読みが難しく、口頭では一度ふりがなを添えるか、書き言葉に寄せて使いたい。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 静謐の類義語は?
- 静寂、閑寂、平穏
- 静謐の由来は?
- 特定の故事に由来する語ではないが、漢籍にさかのぼる用例は辞書ではっきりたどれる。普及版字通は「静謐」の項に『宋書』礼志一の用例を引く。