邂逅(かいこう)
約束もなく思いがけず出会うこと。旧友との再会や、その後の生き方を変えるような出会いに使う。同じ偶然の出会いでも、出会えたことを喜ぶ気持ちが語感に伴う点が「遭遇」と異なる。
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そのまま使える例文
送別会の挨拶で「彼との邂逅がなければ、この部署は今の形になっていません」と述べた。
深掘りに備える — 由来
『詩経』にさかのぼる古い語である。鄭風「野有蔓草」に「邂逅相遇、適我願兮」——思いがけず行き会い、それが私の願いにかなった——とあり、野の草に露の降りた朝、美しい人と偶然に出会った喜びを詠む。
聞かれたら: 「『詩経』鄭風「野有蔓草」「邂逅相遇、適我願兮」に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
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『詩経』にさかのぼる古い語である。鄭風「野有蔓草」に「邂逅相遇、適我願兮」——思いがけず行き会い、それが私の願いにかなった——とあり、野の草に露の降りた朝、美しい人と偶然に出会った喜びを詠む。精選版日本国語大辞典も普及版字通も、「邂逅」の項にこの詩を挙げる。同じ『詩経』の唐風「綢繆」にも「今夕何夕、見此邂逅」と見え、こちらでは出会いそのものを指す名詞として使われている。中国語の字書は邂逅を「不期而遇」——あらかじめ約束せずに行き会うこと——と釈す。「邂」も「逅」も辵(しんにょう=行く)を持ち、二字そろって初めて一語になる語で、片方だけで使われることはない。日本語での早い用例として、精選版日本国語大辞典は『了幻集』(1392年頃)の「昨夜邂逅寒山子」を挙げる。また『本朝無題詩』(1162-64年頃)の「邂逅引朋入古祠」のように、「たまたま」の意で副詞的に使われた例もあり、もとは出会いの尊さより偶然性そのものを指す語だったことが分かる。
似た語と間違えない
同じ偶然の出会いでも、「遭遇」は事故や敵など望まない相手にも使えるのに対し、邂逅はよい出会いに限って使うのがふつう。「巡り合い」がやわらかい和語で日常の会話にも収まるのに対し、邂逅は文章語で、挨拶や書き言葉の一語として立つ。「一期一会」がこの機会は二度とないという心構えを説く語であるのに対し、邂逅は出会った事実そのものを指し、心構えまでは含まない。
対義語: 愛別離苦、別離
こんなシーンで使う
送別や祝いの挨拶のように、ひとつの出会いに重みを置きたい場面で一語として立つ。聞き手には「その出会いを特別なものとして受け止めている人だ」という姿勢が伝わる。ただし語感が重いぶん、日常の「昨日駅で先輩と邂逅した」のような使い方は大げさに響く。面接やESで多用すると、出会いの偶然性に寄りかかって見え、自分が何をしたのかがかえって薄まる。使うなら、出会った事実ではなく、その出会いのあとに自分が何を続けたのかとセットで語りたい。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 邂逅の類義語は?
- 一期一会、巡り合い、奇遇
- 邂逅の由来は?
- 『詩経』にさかのぼる古い語である。鄭風「野有蔓草」に「邂逅相遇、適我願兮」——思いがけず行き会い、それが私の願いにかなった——とあり、野の草に露の降りた朝、美しい人と偶然に出会った喜びを詠む。