夫唱婦随(ふしょうふずい)
夫が言い出したことに妻が寄り添い従うように、夫婦が息を合わせて仲良く暮らすこと。
最終更新日:
そのまま使える例文
結婚披露宴の祝辞で、主賓が「夫唱婦随という言葉がありますが、お二人にはどちらが先ということなく、声を掛け合って歩んでほしい」と述べた。
深掘りに備える — 由来
日本の辞書が出典として挙げるのは『関尹子』三極篇で、「天下之理、夫者倡、婦者随、牡者馳、牝者逐、雄者鳴、雌者応」(天下の理は、夫は倡へ、婦は随ひ、牡は馳せ、牝は逐ひ、雄は鳴き、雌は応ず)とある。夫が先に唱えて妻が従うことを、動物の雄と雌のふるまいと並べ、天下の道理として述べた一節である。
聞かれたら: 「『関尹子』三極篇に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
由来の全文を読む
日本の辞書が出典として挙げるのは『関尹子』三極篇で、「天下之理、夫者倡、婦者随、牡者馳、牝者逐、雄者鳴、雌者応」(天下の理は、夫は倡へ、婦は随ひ、牡は馳せ、牝は逐ひ、雄は鳴き、雌は応ず)とある。夫が先に唱えて妻が従うことを、動物の雄と雌のふるまいと並べ、天下の道理として述べた一節である。『関尹子』は老子に教えを請うた関所の役人・尹喜(関尹)の著と伝えられるが、現存する本は後世に作られたものとみられている。この一節は「夫者倡、婦者随」と字を隔てて並ぶ形で、「夫唱婦随」の四字がそのまま連なるのは、六世紀に梁の周興嗣が作った漢字学習書『千字文』の「上和下睦、夫唱婦随」(上和し下睦み、夫唱へ婦随ふ)の句である。一説にはこの『千字文』を出典とする解説もあり、出典は辞書によって扱いが分かれる。「夫倡婦随」とも書き、夫婦の役割を入れ替えた「婦唱夫随」という言い方も辞書に見える。
似た語と間違えない
「琴瑟相和」が二つの楽器が響き合うように対等な調和を描くのに対し、「夫唱婦随」は夫が先に言い出し妻がそれに合わせるという役割の向きを含んだ和合を言う。「一心同体」は夫婦に限らず、複数の人が心を一つにすることを広く指す。
対義語: 婦唱夫随、不和
こんなシーンで使う
結婚記念日の挨拶や、長年連れ添った夫婦の歩みを振り返る場面で、二人が息を合わせてきたことをたたえる語として使える。ただし語の組み立てが「夫が唱え、妻が随う」と役割の向きを固定しているため、聞き手によっては夫が主で妻が従という夫婦像を祝辞で勧めているように受け取られる。新郎新婦への祝辞でそのまま願いとして贈るより、「琴瑟相和」など向きを含まない語を選ぶか、この語を引くなら「どちらが先ということなく」と言い添えるほうが意図がまっすぐ届く。仕事上の上司と部下の関係を指して使う語でもない。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 夫唱婦随の類義語は?
- 琴瑟相和、一心同体、鴛鴦之契
- 夫唱婦随の由来は?
- 日本の辞書が出典として挙げるのは『関尹子』三極篇で、「天下之理、夫者倡、婦者随、牡者馳、牝者逐、雄者鳴、雌者応」(天下の理は、夫は倡へ、婦は随ひ、牡は馳せ、牝は逐ひ、雄は鳴き、雌は応ず)とある。夫が先に唱えて妻が従うことを、動物の雄と雌のふるまいと並べ、天下の道理として述べた一節である。