同甘共苦(どうかんきょうく)
楽しいときも苦しいときも、共に分かち合って過ごすこと。
最終更新日:
そのまま使える例文
送別会の挨拶で「同甘共苦——甘きを同じくし、苦しみを共にした十年でした」と読み下しを添えて振り返った。
深掘りに備える — 由来
出典は辞典によって示し方が分かれる。漢典など中国の辞典と四字熟語辞典オンラインは『戦国策』燕策一を挙げる。
聞かれたら: 「『戦国策』燕策一に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。
由来の全文を読む
出典は辞典によって示し方が分かれる。漢典など中国の辞典と四字熟語辞典オンラインは『戦国策』燕策一を挙げる。斉に敗れた燕を継いだ昭王が人材を集めて国を建て直す話の結びに「燕王、死を弔い生を問い、百姓と其の甘苦を同じくす」とあり、二十八年の後に燕は富み、兵は戦を厭わなくなったと続く。ただしこの原文に四字の形は現れず、漢典は同じ一節を「甘苦与共」の出典にも当てている。一方、台湾・教育部の成語典は『戦国策』に触れず、『五代史平話』唐史巻下の「毎に士卒と同甘共苦す、故に能く軍心を得たり」を書証とする。こちらは四字がそのまま現れる例で、後梁の王彦章に攻められた楊劉城を守った李周が兵と苦楽を共にしたため、兵が死力を尽くして離れなかったという記述である。原典はいずれも君主と民、将と兵という上下のある関係を指しており、対等な仲間や夫婦に使うのは後の用法にあたる。
似た語と間違えない
「切磋琢磨」が競い合って伸びた関係を言うのに対し、同甘共苦は勝ち負けを伴わず、良いときも悪いときも同じ場所にいたという時間の共有に重心がある。「同心協力」は同じ目的へ力を合わせることで、苦しみを分け合った過去までは含まない。「同舟共済」は『孫子』九地篇に典拠を持つ別系統の語で、仲の悪い者同士でも同じ危機の中では助け合うという状況を指し、長い付き合いを前提としない。
対義語: 同床異夢、離心離徳
こんなシーンで使う
苦楽を共にしてきた歳月そのものを言う語で、送別や周年の挨拶など、過ぎた時間を振り返る場面に収まる。ただし精選版日本国語大辞典・デジタル大辞泉はこの語を立項しておらず、四字熟語辞典と中日辞典が拾っている段階の言葉で、聞き手がその場で意味を取れる保証がない。スピーチや色紙で使うなら「甘きを同じくし、苦しみを共にする」と読み下しを添えるか、「苦楽を共にした」と言い換えを重ねるほうが確実に届く。原典が君主と民、将と兵の関係を指すため、目下の相手に向けて自分から「同甘共苦してきた」と言うと、面倒を見てやったという含みに聞こえかねない。相手と対等に並べて使うか、第三者の関係を評するほうが安全。
以下のテーマ・シーンでよく使われます。
よくある質問
- 同甘共苦の類義語は?
- 同心協力、苦楽を共にする、甘苦与共、同舟共済
- 同甘共苦の由来は?
- 出典は辞典によって示し方が分かれる。漢典など中国の辞典と四字熟語辞典オンラインは『戦国策』燕策一を挙げる。