四字熟語
紆余曲折(うよきょくせつ)
道や川が何度も折れ曲がっていること。転じて、物事が順調には運ばず、込み入った経過をたどりながら変化していくこと。
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由来
「紆余曲折」という四字そのものの出典は特定されていない。中国の古典に同じ形があるかも確認できていない。辞典で裏が取れるのは、構成する二語の出どころと日本での使われ方までである。「紆余」は『史記』司馬相如列伝(『文選』にも収める「上林賦」)に「酆鄗潦潏、紆餘委蛇、經營乎其內」とあり、天子の上林苑の中を川が曲がりくねって流れるさまを述べた句で、台湾教育部の辞典も曲折・婉転の意の用例としてこれを引く。「曲折」は折れ曲がること。四字熟語を知る辞典は、「紆」も「余」も川や丘などが屈曲する様子だと説明している。日本での早い例として、精選版日本国語大辞典は久米邦武『米欧回覧実記』(1877年)の「セーン河あり、紆余曲折して数島を作る」を道や川の曲がりの意で挙げ、事情が込み入って変化する意の例には三宅雪嶺『想痕』(1915年)を示す。語義の並びからは、地形の描写から経緯の形容へ広がったと読めるが、その順序を裏づける資料までは見つかっていない。「紆余」は「迂余」とも書き、四字熟語辞典オンラインは「迂余曲折」を異形に挙げる。
例文
- 面接で、学部の途中で進路を変えた経緯を「紆余曲折を経て、データ分析の仕事を志すようになりました」と話した。
- 友人代表のスピーチを「二人がここに至るまでには紆余曲折がありました」と切り出し、会場の笑いを誘った。
- 法案は与野党の紆余曲折の末、会期の最終日にようやく成立した。
- 引っ越し先が決まるまで紆余曲折あってさ、結局もとの駅の隣に落ち着いたよ。
類義語・対義語
「波瀾万丈」が浮き沈みの激しさそのものに注目するのに対し、紆余曲折は一直線に進めず回り道を重ねる過程に重心があり、たいていは「紆余曲折を経て〜に至った」と着地点を伴って語られる。「試行錯誤」のように方法を試して改める意図は含まず、成り行きで曲がった経過にも使える。「七転八起」は失敗からの立ち直りを言い、紆余曲折は立ち直りの有無を問わない。辞典の類語に挙がる「曲折浮沈」は浮き沈みの含みが強く、「盤根錯節」は処理の難しい複雑な事態を指す。辞典は対義語を挙げていない。
こんなシーンで使う
経歴や出来事の経緯を振り返る場面——面接の自己紹介、結婚式や送別のスピーチ、報告書の経過説明——で使う。聞き手には「うまくいかない時期があっても、それを隠さず振り返れる人」と映るので、回り道をそのままにせず、その間に何を考えて今の選択に至ったかまで話すと誠実に響く。「紆余曲折ありました」とだけ言って中身を語らないと、面接官は詳細を尋ねたくなり、聴衆には含みだけが残る。座右の銘や目標として掲げる言葉ではなく、過ぎた過程を語る言葉である。
よくある質問
- 紆余曲折の類義語は?
- 曲折浮沈、複雑多岐、盤根錯節
- 紆余曲折の由来は?
- 「紆余曲折」という四字そのものの出典は特定されていない。中国の古典に同じ形があるかも確認できていない。