四字熟語

四面楚歌(しめんそか)

周りを敵や反対者に囲まれて孤立し、助けてくれる者がいないこと。味方がいない苦しい状況を指す語で、自分で掲げる目標や抱負ではなく、置かれた状況を言い表す言葉。

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この語を使ってよい場面◎最適 ○使える △注意
△面接自分の座右の銘として掲げると孤立を望む人に聞こえる。過去の苦境を語る語としてなら使える
△スピーチ苦境を乗り越えた経験の描写なら使えるが、聞き手を敵に見立てるような場では避ける
注意: 座右の銘や抱負には向かず、状況を描写する言葉である。「楚歌」を味方の歌と取り違える誤解と、敗北した項羽の場面が由来である点に注意。

そのまま使える例文

面接

面接で「学生時代、部の改革案に全員が反対して四面楚歌になりましたが、練習記録を示して一人ずつ話し合い、半年かけて合意を得ました」と話した。

スピーチ年頭の挨拶で「三年前、赤字転落で社内も取引先も四面楚歌に近い状況でした。あの経験があるから、今年は現場の声を最優先にします」と述べた。
新しい校則案は生徒会の中でも賛成者がおらず、提案者は四面楚歌の状態だった。
大型案件を断られ、頼みの上司にも見放され、まさに四面楚歌だと同僚がぼやいた。

深掘りに備える — 由来

出典: 『史記』項羽本紀

『史記』項羽本紀の一節に基づく故事で、デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・四字熟語を知る辞典・日本大百科全書(ニッポニカ)がそろってこれを出典に挙げる。原文は「項王軍壁垓下。

聞かれたら: 「『史記』項羽本紀に由来する言葉です」と出典を一言添えられると強い。

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『史記』項羽本紀の一節に基づく故事で、デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・四字熟語を知る辞典・日本大百科全書(ニッポニカ)がそろってこれを出典に挙げる。原文は「項王軍壁垓下。兵少食盡、漢軍及諸侯兵圍之數重。夜聞漢軍四面皆楚歌、項王乃大驚曰、漢皆已得楚乎。是何楚人之多也」(項王の軍、垓下に壁す。兵少なく食尽き、漢軍と諸侯の兵これを囲むこと数重なり。夜、漢軍の四面みな楚歌するを聞き、項王乃ち大いに驚きて曰く、漢はみな已に楚を得たるか、是れ何ぞ楚人の多きや)。楚の項羽が漢の劉邦に追い詰められて垓下で包囲された夜、囲む漢軍の中から故郷・楚の歌が聞こえ、項羽は楚の人々がすでに漢に降ったと思い込んで驚いた、という場面である。本文はこのあと、項羽が「力拔山兮氣蓋世」で始まる詩を詠んで虞美人と別れ、夜の闇にまぎれて包囲を破ったと続く。「四面」は四方、「楚歌」は楚の地方の歌で、この場面の語が四字に固まって「味方のいない孤立」を指すようになった。日本での用例も古く、精選版日本国語大辞典は『和漢朗詠集』(1018年頃)所収の橘広相の句「四面楚歌の声」を初出の実例に挙げる。なお、漢軍に楚歌を歌わせたのは劉邦側の心理作戦だったとする説明があり、ニッポニカはそう記すが、確認できた『史記』の該当箇所には、歌の主や意図を説明する文はない。計略説は『史記』本文の外にある解説として、距離を置いて受け取るのが安全である。

似た語と間違えない

四面楚歌周りを敵や反対者に囲まれて孤立し、助けてくれる者がいないこと。
孤立無援
楚歌

「孤立無援」が助けのない状態そのものを言うのに対し、四面楚歌は敵や反対者に周囲をぐるりと囲まれているという包囲のイメージが強く、味方がいないだけの静かな孤立には合わない。敵意のある者が実際に周囲にいない場面、たとえば単に一人で作業している場面には使えない。なお、項羽は歌を聞いて驚いたのち、八百余騎で包囲を破って逃れたが、結局は烏江のほとりで自刎した(『史記』)。語の由来は敗れる側の場面なので、巻き返しの話に添えるなら、そこから動いた自分の行動を中心に語るのが自然である。

こんなシーンで使う

人前で使うなら、座右の銘としてではなく「過去に直面した苦境」を語る一語として使うのが現実的で、面接でも「四面楚歌から合意を得た」と結果まで話せば、困難の中で動いた人という印象になる。反対に「座右の銘は四面楚歌です」と言えば、聞き手の目には自分を孤立した状態に置きたい人と映り、理由を問われても答えようがない。字面の「歌」から明るい響きを想像する人もいるため、スピーチでは「周りが敵ばかり」という意味を一言添えると安心である。

よくある質問

四面楚歌の類義語は?
孤立無援、楚歌
四面楚歌の由来は?
『史記』項羽本紀の一節に基づく故事で、デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・四字熟語を知る辞典・日本大百科全書(ニッポニカ)がそろってこれを出典に挙げる。原文は「項王軍壁垓下。
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