四字熟語
波瀾万丈(はらんばんじょう)
物事の変化が起伏に富んで激しいこと。とくに、人生や物語の展開が劇的に移り変わるさまをいう。「波乱万丈」とも書く。
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由来
「波瀾万丈」という四字の出典は特定されていない。辞典類にも中国の故事や成句としての出どころは載っていない。精選版日本国語大辞典が初出例に挙げるのは、徳富蘇峰が1887年に政治小説を論じた評論で、筋立てが「波瀾万丈なるに到りては」と評された一文である。辞典が挙げる最も早い例は、小説の筋の起伏をほめる文脈である。構成する二語は別々に辿れる。「波瀾」は大小の波で、同辞典は『経国集』(827年)に波の意の用例を示し、そこから文章の起伏、物事の変化や曲折、もめごとの意に広がったと並べる。文章の起伏の例には杜甫の詩が引かれている。「万丈」は一丈の万倍、きわめて高いこと。四字熟語を知る辞典は「波」を小さな波、「瀾」を大きな波と説明しており、高い波が幾重にも立つ情景が語の下敷きにある。表記の「波乱万丈」について、Wiktionary日本語版は、新聞は日本新聞協会用語懇談会の代用表記「波乱」を使う社と本来の「波瀾」を使う社に分かれ、国会議事録は「波乱」を用いると記す。「乱」は語義とは無関係で、本来の字義は大波を意味する「瀾」にある。
例文
- 結婚式の祝辞で、新婦の父を「波瀾万丈の半生を経て、今の工房を築かれた方です」と紹介した。
- 留学先で二度の転校を経験した波瀾万丈の三年間でしたが、そこで鍛えた対応力を生かしたいです、と面接で話した。
- この小説は波瀾万丈の展開で、最後の一頁まで先が読めない。
- 祖母の若い頃の話を聞いたら波乱万丈すぎて、そのまま映画になりそうだった。
類義語・対義語
「紆余曲折」が回り道の過程を着地点とともに振り返るのに対し、波瀾万丈は高低差の大きさそのものを劇的に語り、読み物としての面白さを含む。「七転八起」が転んでも立ち直る意志を言うのに対し、こちらは本人の意志と無関係な出来事の連続にも使える。「気炎万丈」は同じ「万丈」でも意気の盛んなさまで、波乱の意はない。「山あり谷あり」は同じ内容をくだけて言う口語である。
こんなシーンで使う
他人の人生や物語を紹介するときに最も据わりがよく、祝辞や講演者の紹介では聴衆の期待を一語で高められる。自分の経歴に使うと、聞き手には話を盛っている、あるいは苦労自慢と受け取られかねないので、面接では使うとしても事実を一つ添えて淡々と語るほうが信頼される。褒めたつもりでも、本人が過去の苦労を語りたがっていない場合があり、他人の紹介に使う前に了解を取っておきたい。期待を上げる語なので、中身が平坦だと肩透かしになる。
よくある質問
- 波瀾万丈の由来は?
- 「波瀾万丈」という四字の出典は特定されていない。辞典類にも中国の故事や成句としての出どころは載っていない。