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「呆然」(読み方:「ぼうぜん」)という言葉は、「呆然とする」「呆然と~する」などの形でよく使われています。
あることにショックを受けて途方に暮れてぼんやりとする様子についていう時に使う言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような言い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは、「呆然」の意味と使い方、類義語・言い換え表現について説明していきます。
「呆然」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現
それでは、以下に「呆然」の意味と使い方、類義語、言い換え表現について説明します。
意味
まず、「呆然」には以下のような意味があります。
驚きあきれて、気が抜けたようになるさま。茫然。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「呆然」
つまり、「あることに驚いてどうしたらよいか分からなくなり、ぼんやりとする様子」をいう語となっています。
使い方・例文
次に、「呆然」の使い方を例文を使って見ていきます。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
- 「数時間前までそこにあったはずの風景が大地震で一変し、辺り一帯ががれきの山と化したところを目の当たりにして呆然とする」
- 「恩師の突然の訃報を聞いた彼は、呆然となってしばらくその場に立ち尽くしていた」
- 「自宅に救急車が止まっていることに気づいて慌てて近寄ると、さっきまで元気だったはずの父親が担架に乗せられた救急車に運ばれていた。彼は突然のことに事態が飲み込めず、しばし呆然としていた」
- 「その日の朝一番で会議室に社員全員を集め、社長から会社の倒産を告げられた。概ね何の話か予測がついていたとはいえ、彼は半ば呆然となりながら話を聞いていた」
ポイント
「呆然」は、上記のようにあることに驚いて途方に暮れてぼんやりとする様子をいう場合に、「呆然とする」「呆然となって~する」といった形で使うことができます。
類義語・言い換え表現
次に、「呆然」の類義語や言い換え表現について見ていきます
まず、「呆然」と近い意味がある言葉には以下のようなものがあります。
茫然(ぼうぜん)・唖然(あぜん)・愕然(がくぜん)
そして「呆然」のように、「あることに驚く様子」についていう場合には、上記の語を使って以下のような言い方をすることが可能です。
- 「茫然」:「彼は父親が事故で急死したとの知らせに茫然となった」
(≒「彼は父親が事故で急死したとの知らせに呆然となった」) - 「唖然」:「お金を借りておいて平然と知らぬ振りをする友人に彼女は唖然として言葉を失った」
(≒「お金を借りておいて平然と知らぬ振りをする友人に彼女は呆れて言葉を失った」) - 「愕然」:「それなりに英語ができると思っていたが、実際にはネイティブとの日常会話もままならない自分に愕然とした」
(≒「それなりに英語ができると思っていたが、実際にはネイティブとの日常会話もままならない自分にひどく驚いた」)
ポイント
上記の中で「茫然」は「呆然」と同じ意味の言葉となるため、置き換える形で使うことができます。
また「唖然」と「愕然」もはあることに驚く様子についていいますが、「唖然」はあきれてものも言えない様子、「愕然」は何かにひどく驚く様子をいう時に使います。
この2つの語は、「どうしてよいか分からずぼんやりする」という意味のある「呆然」とはニュアンスが異なりまったく同じ使い方ができる言葉ではありませんが、驚く対象となる事柄によって適度に使い分けることが可能です。
まとめ
以上、「呆然」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。
この言葉は「あることに驚いてどうしてよいか分からずぼんやりとする様子」をいい、ある知らせに驚いて途方に暮れる様子についていう場合などに「呆然となる」「呆然と~する」といった形で使うことができます。
また類義語には「茫然」「唖然」「愕然」といった語があり、それぞれ何かに驚いた時の状態について述べる時に使うことが可能です。
ただし、これらの語は「どうしてよいか分からずぼんやりとする」「呆れて言葉も出ない」「ひどく驚く」といったようにそれぞれニュアンスが異なるため、場面に応じて適度な語を使い分けることができます。